自転車部品に対するDLCコーティングの実績は非常に少ないのが現状です。
そんな中、あるユーザー様からのお問い合わせがあり、DLCを試してみたいと言うお話に。
さっそくDLCコーティングをしインプレッションして頂きました。
人吉市 H 様
ありがとうございます。
今年の四月から熊本県に転勤になり、電車通勤から自転車通勤に変更しました。
愛車のBROMPTON、非常に良くできた自転車で乗り心地は良く、折りたたみ
機能も洗練されていますが、高価な割にチープな部品が散見されます(その
割にスイスイすすむのですからたいしたものですが。)
そこで、この自転車のパーツをリファインすることに決めました。コンセプトは
軽量化とフリクションの軽減。まずはフロントハブのシールドベアリングを、
エンデューロのセラミックシールドベアリングに換装。グリスも一旦洗浄し、
Krytox®を封入し直しています。
続いて、BROMPTONの一番ちゃっちいBB(ボトムブラケット)をリファインすべく
いろいろ調べると、NJS認定八田のR9400が良いという情報がネットに。
一方でサイズが合わず断念した方もいるとか。うーん賭けですがR9400を購入。
しかも既存の高品質ベアリングをセラミックベアリングG3相当に換装してしまお
うと試みました。
しかし、ネットを検索するとセラミックベアリングの場合、ボールレースの硬度
を上げないと意味が無いという情報が・・・。
そこで思い出したのがDLC加工です。ダイヤモンドに近い硬度ならセラミック
に負けないでしょうとばかり、フリクションさんにお願いしました。
2週間ほどで手元に戻りましたが 、まずは色がかっこいいです。
ボールレースはもともと鏡面仕上げになっていたのですが黒光り(笑)
石より硬い黒仁丹、別名セラミックベアリングとも相性が良さそうです。
これは仮にフリクション軽減が図れなくともなんかもう満足(笑)
到着してすぐ、BROMPTONに組み込んでみましたが、大丈夫。クランクを手持ちの
デュラエースにしたところ、ギリギリセーフです。54TでもOK。折りたたんでも大丈夫。
失敗したときの為に、TANGEのLN7922も準備していましたが、重量の軽減
も大幅に図れたと思います。(もちろんオリジナルに比べても)
実際の乗り心地ですが、毎朝10%程度の傾斜の急坂を100メートルほど登らな
ければならないのですが、実に滑らかです。
これはBBのワン がプラスチックからアルミに変わったこと、ベアリングがセラミ
ックになったこと、ボールレースをDLC加工にしたこと、グリスをKrytox®に
したこと等全ての要因が関わっていると思うのですが、負荷は電動アシスト自
転車(中国製すぐ壊れましたけど持ってました)とあまり変わらずにダンシング
なしで急坂を登れるのです(速度は若干落ちますが)。
また平地を走っている場合、余り漕がなくてよいのです。クイクイと軽く漕いだら
後はシャーって感じで進んでくれます。
BD-1という自転車も持っていますが、フロントはハブダイナモ、クランクは内装2段、
リアにも内装14段積んでいるので重量とフリクションロスの塊となり、上り坂がある
私のBROMPTON、見た目は昭和のショボイ自転車ですが、中身は21世紀モノです。
人吉市 H